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理論と数値計算で量子力学の魅力を堪能する.
量子力学によって記述されるミクロな世界では,私たちの“常識”では考えられないようなことが起こります.そんな“摩訶不思議”な現象に出会い,そしてそれを理解したとき,そこにあるのは無類の喜びです.私たちは,原子核の構造と反応,中性子星の物理,冷却原子気体,超流動現象等,様々なフェルミ粒子多体系における量子多体問題を解き明かすことを目指し,日々研究を進めています.
現在進行中の研究
原子核反応の観測量の分布を適切に記述する,確率論的平均場理論の開発
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参考文献:
- S. Ayik and K. Sekizawa, Kinetic energy dissipation and fluctuations in strongly-damped heavy-ion collisions within the stochastic mean-field approach, Phys. Rev. C 102, 064619 (2020) [arXiv:2009.11978]
- K. Sekizawa and S. Ayik, Quantal diffusion approach for multinucleon transfer processes in the 58,64Ni+208Pb reactions: Toward the production of unknown neutron-rich nuclei, Phys. Rev. C 102, 014620 (2020) [arXiv:2003.07786]
スピン偏極したユニタリーフェルミ気体におけるトポロジカル励起の生成と崩壊のダイナミクスの研究
フェルミ粒子多体系では,逆向きのスピンを持つ2つのフェルミ粒子が対(クーパー対)を組むことによって超流動性が発現します.したがって,上向きスピンを持つ粒子の数と下向きスピンを持つ粒子の数が異なる場合,すなわち「スピン偏極」がある場合,クーパー対を組むことができない粒子が存在することになります.この対を組むことができなかった粒子が超流動ダイナミクスにどのような影響を及ぼすかということは,自明ではありません.私たちは,超流動性を記述できるように拡張された時間依存密度汎関数法(TDSLDA法)にスピン偏極の自由度を導入し,ボース粒子系に見られないフェルミ粒子系特有の超流動ダイナミクスを探求しています.参考文献[1,2]では,スピン偏極のあるユニタリーフェルミ気体におけるトポロジカル励起(ドメイン壁,量子渦等)の崩壊過程やもつれた量子渦糸の生成と緩和過程(量子乱流現象)を調べました.動画は参考文献[1]に発表した,円柱状トラップ内で回転する超流動体における,量子乱流現象のシミュレーションの結果を示しています.
参考文献:
- K. Hossain, K. Kobuszewski, M.M. Forbes, P. Magierski, K. Sekizawa, and G. Wlazłowski, Rotating Quantum Turbulence in the Unitary Fermi Gas, Phys. Rev. A 105, 013304 (2022) [arXiv:2010.07464]
- G. Wlazłowski, K. Sekizawa, M. Marchwiany, and P. Magierski, Suppressed Solitonic Cascade in Spin-Imbalanced Superfluid Fermi Gas, Phys. Rev. Lett. 120, 253002 (2018) [arXiv:1711.05803]
卒業研究
2022年度
- 蒲健太郎,強磁場における電子のLandau準位形成が中性子星外殻組成に及ぼす影響:超重核の発現可能性.
- 谷宣晨,1次元Skyrme Hartree-Fock法の数値的安定性.
2021年度
- 吉川智之,球形Woods-Saxonポテンシャルを用いたCa同位体の一粒子波動関数と対相関の分析.
- 吉村健太,時間依存自己無撞着バンド計算による中性子星内殻におけるエントレインメント効果の検証.
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